ポイントによる経済競争の過熱が進む中、新生Vポイントで、一部アプリの利用に障害が出ているとの指摘が散見されます。マイナンバーなど新システムの導入時に、しばしばこうした行き違いが大きく取り上げられますが、それに対して、私は、嘆息を禁じ得ないです。
確かにトラブルは皆無であることが望ましいですが、中国をはじめとする海外の先駆的デジタルサービスでは、トラブル発生を前提としてサービスをリリースし、修正を重ねることで技術を磨く手法が取られています。ある程度の形ができた段階で、早々にユーザーに使わせエラーを吐かせる、それを手がかりに改良していくほうが、技術発展の足は逞しくなるのは当然です。対する我が国では、完璧を期されがちなため、その推移は遅きに失し、完成したとて、後の祭りです。
Vポイントや楽天ポイントなど、ポイント経済の過熱は収まるところを知りません。ポイントとは、その経済圏における円とペグされた通貨です。もし経済圏のポイントでしか決済が行えなくなったり、高金利が付されるようになれば、『私は、日本国民ではありません、楽天国民です』という具合に、日本で暮らしながら日本円からの離脱を選ぶ者も現れるのかもしれません。さらには、いつか日本円のペグ制から外れ、有価証券としての位置づけとなる可能性もあります。そうなれば、Vポイントを空売りし楽天ポイントを買うようなポイント専門のヘッジファンドが登場するかもしれません。ポイント金融の行方に注目ですね。
・有価証券としての位置づけ
通貨という位置づけは難しそうですよねー。