東京海洋大学で海洋系の研究をされている方と話す機会があり、興味深い話を伺いました。その方は、CO2問題を海藻で解決できるとおっしゃっていました。気候変動の緩和が急務とされる今日この頃、海が陸よりもCO2を多く吸収していることから、海草生態系の保全や再生いわゆるブルーカーボンが、気候変動対策においても非常に有効だということです。ブルーカーボンという言葉は、海洋生態系に蓄積される炭素を指し、陸上の森林に蓄積される炭素、いわゆるグリーンカーボンとは対照的な概念だそうです。彼は「時代はグリーンカーボンからブルーカーボンだ」とおっしゃっていました。EUの排出量取引制度や日本で始まったGXリーグ、カーボンクレジットの取引など、環境問題への取り組みが進む中、この分野にも注目していきたいです。カーボンクレジットのように数値化しやすい分野だけではなく、生物多様性のような数値化が難しい分野も数値化できるようになれば、さらに多くの進展が期待できるでしょう。また、カーボンクレジットの閾値を用いた資金調達のアイデア、例えば転換社債やワラントの権利行使条件に取り入れるなど、新しい仕組みを考えるのも面白そうですね。