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理想の自分による自分の他殺

理想の自分による自分の他殺

健康経営に関する論文を多数執筆されている専門家の方とお話する機会がありました。その中で、自殺率について興味深いお話を伺いました。

その方によれば、自殺率は、なりたい理想の自分を追求する意識の高い人のほうが高く、一方で、他者のために生きる、人とのつながりを大切にする人の方が自殺率は低いそうです。つまり、人間関係や社会とのつながりが、自殺を予防する上で重要な要素となるようです。

しかし一方で、表面上は人間関係に恵まれているように見える人でも、突然自殺してしまうケースもあります。自分自身の実現を目指す際には、マズローの欲求階層理論に例えられるように、現在の自分が豊かに満たされていると自覚し、ありのままの自分を受け入れた上で、更なる成長や理想を目指すスタンスが不可欠だとおっしゃっていました。

理想を忠実に模倣しようとして成し遂げられず、現物が邪魔で仕方がない、だから理想の自分によって自分が他殺される。自殺とは、そういった事象だと私は解釈しております。





欲求階層理論
第1段階:生理的欲求、第2段階:安全欲求、第3段階:社会的欲求、第4段階:承認欲求(尊重欲求)、第5段階:自己実現欲求

理想を忠実に模倣しようとして成し遂げられず、現物が邪魔で仕方がない、だから理想の自分によって自分が他殺される
その絶対的な美しさと同時に呪縛を受け、金閣寺を焼き払い、そして自殺する。映画版の金閣寺の様なものです。ただ三島の原作では住職は自殺していないが。