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タイヤは一度動けば少しの力で動き続ける

タイヤは一度動けば少しの力で動き続ける

今週は中央銀行のニュースが怒涛のようでしたね。日銀はYCCの撤廃など、利上げ方向に傾いている一方で、FRBやイングランド銀行をはじめとする他の国々の中央銀行は利下げに向かっているようです。植田日銀の動きとしては、黒田時代の政策からの転換、正統派経済政策への回帰と捉えられがちですが、黒田総裁がまだ在任していた2021年3月の日銀の政策点検の時から、例えば10年債の変動幅を0.25に変更するなど、金利のある世界への回帰は始まっていました。

インフレ目標の達成によりYCCなどを撤廃するわけですが、日本はいつも、タイヤがやっと動き始めたところで直ぐに止めてしまう。タイヤは動かす初動に大きな労力がかかるものの、一度動けば少しの力で動き続けるのに、という具合に一部からは『2%を大きく乖離してから撤廃すべきだ』という意見もあります。YCC撤廃の是非については触れませんが、日本が動き出したタイヤをすぐに止める傾向には、確かに同感です。米国が共和党と民主党で拮抗している一方で、日本は自民党が強く、表面上はスムーズに物事を進められそうにも見えます。しかし、財務省の強い影響力により、金融政策や財政出動で経済を支えようとしている最中にも、プライマリーバランスの黒字化に方針を急に転換することもあります。

いずれにせよ、これからも日銀の動向に注目していきたいと思います。





・YCC
長短金利操作のことを指します。YKKじゃないですよ笑(山崎拓、加藤紘一、小泉純一郎)。

・利上げ方向に傾いている一方
日経の記者から、植田総裁に『今の金融政策に名前を付けるとしたら何ですか?』という非常にレベルの低い質問がありましたね。現象学等々言葉と言うのは解釈すなわちイメージに多大な影響を与え、記事を書く上で言葉が欲しいのもまあ理解できますが、これが日本を代表する経済新聞社なのかと、悲しくなりました。植田総裁はしっかりとコミュニケーションを取って行きたいとおっしゃられていましたが、記者たちは日銀教室に集められた、明らかに勉強不足の出来の悪い生徒たちにしか見えませんでした。

・2021年3月の日銀の政策点検
今後の政策を示唆していて非常に読みごたえがありますよ。読んだのは当時高校一年生の時ですね、懐かしい。当時はあまりニュースになっていなかったと記憶しています。ニュースになっていても、あまり重要じゃないところが取り上げれれていたような記憶が。

・タイヤは動かす初動に大きな労力がかかるものの、一度動けば少しの力で動き続ける
大玉転がしもそんな感じですよね。

・プライマリーバランスの黒字化
借金しないで、政府を運営しようねみたいな感じです。民間が経済活動をしない時に政府も経済活動を縮小してどうするんですか。