中学一年生を最後に、ゴールデンウィーク期間の想い出が、季節性の外れ値として私の心に宿ることはなくなりました。桜が風に散り、陽が季節をくすんだ色彩で徐々に染め上げていくこの時節、回顧してみれば、中学二年生の頃から私の選んだ道筋は、外への逍遥ではなく、寧ろ世間から離れ、家に閉じこもり読書や映画であったり作業に沈潜することでした。このゴールデンウィークの過ごし方は、私が株の世界に足を踏み入れた時期、すなわち学校から離れ自由を手に入れた時期に端を発します。自由は、世俗から遠ざかり、自身の内面の静穏な領域に没入することを希求しました。

明日は自転車で行ける距離にある、森の中に佇む小さな美術館へと足を運ぼうかと企てています。