トルコ中央銀行のエルカン総裁が辞任を表明しました。エルカン氏は、ファースト・リパブリック銀行でのCEO職を務めた経験もあり、財務大臣のシムシェキ氏と共に、トルコの経済および金融政策が正統派経済学へと回帰することを期待させていましたが、その希望に水を差す形となり残念です。
1月25日、トルコ中央銀行は8回連続の利上げを実施し、金利を45%に据え置くことで引き締め政策の終了を示唆していました。あくまで、憶測の域を出ませんが、今回の辞任は、インフレがやや落ち着き始めたためにエルカン総裁が辞任を決意したとも解釈できます。もしくは、エルカン氏はさらなる利上げを望んでいたが、金利を「悪」と見なすエルドアン大統領との間で意見が対立していて、辞任に至ったとも考えられます。
いずれにせよ、トルコの中央銀行総裁の辞任は、「あーまたか」という印象です。
日本の変わらぬ政治状況は、「失われた30年」などと評されがちですが、世界中で政治状況が不安定な中、それが逆に世界から羨望のまなざしで見られていく可能性もありますね。まあ、僕はまだ若いしアグレッシブな性分なので、安定よりも変化のほうが好きですが。