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慈善のROI

慈善のROI

本日、駅前にて幼子が募金を呼びかけている光景に遭遇いたしました。率直に申しますと、私はああいった「情に訴える」形での慈善活動に、いささかの疑問を抱いております。慈善活動が、世界全体の幸福総量を最大化することを目指すのであれば、感情的動機に流されるのではなく、投下資本に対する「幸福の増加率」、いわゆるROIの高さを基準にすべきだと考えているからです。

例えば、先進国で住宅が倒壊した方を一人救済するには、数百万円単位のコストが発生します。それに対し、発展途上国におけるマラリア対策では、わずか数百円で命が救われるといった事例が存在します。つまり、同じ金額を使うなら、マラリア対策のような取り組みのほうが遥かに多くの命を救い、世界全体の幸福総量を増やすことができます。もし人命が文化的・地理的差異を超えて等価であるとすれば、投資資源をより効率の良い領域へと振り向けることこそ、真に「正しい」選択と呼べるのではないでしょうか。

駅前で子供が訴える募金行為は、ある種の「物語消費」に近いように思われます。そこでは、悲劇的な情景や個別的なストーリーが、あたかも商品として提示され、共感という感性によって購入されているようにも見受けられます。もちろん、そうした行為自体を一概に否定するつもりは無いです。各自の価値観や嗜好に応じて行動する自由を有しており、それはクラウドファンディング的な新たな社会的交換様態として評価されるべきです。

しかしながら、私が理想とする慈善は、限られた資源を用いて最大限の幸福を生み出す投資です。本当の慈善とは、時間や労力をかけて遠くの被災地へ出向く人ではなく、最低賃金でも1時間働き、その得た1000円でマラリア撲滅団体に寄付し、5人の命を救うような行動を選択する人でしょう。