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住宅市場について変動金利ローン

住宅市場について変動金利ローン

消えるアメリカン・ドリーム、住宅ローン金利の高止まりで持ち家断念という記事を拝見しました。住宅ローン金利が高水準で推移すると、住宅購入者の負担が増えることになります。私はその状況を踏まえて、貸し倒れリスクが高まるのではないかと直感的に危惧しましたが、米国における変動金利住宅ローンの内訳を調べてみると、実態は違うようです。 サブプライム危機以前は、変動金利ローンが大変人気であり、住宅ローン市場の30%以上を占めていました。しかし近年では、その割合は5~10%程度にすぎません。おそらく、米国民は過去の釣り金利NINJAローンなどの経験から、変動金利ローンに愛想を尽かしたからでしょう。 よって、現在の住宅ローン金利の高止まりは、既存の住宅購入者にとっては大きな影響を与えることは考えにくいです。ただし、記事で指摘されているように、住宅所有者と非所有者の格差が広がる恐れはあります。 この格差を解消するため、非所有者が住宅を購入する場合、『こんだけ上昇したんだから金利はこれ以上上がらないよねー』という見通しから、変動金利ローンに対して楽観的な姿勢を取り、変動金利ローンが再び人気を博す可能性があります。潜在的な変動金利ローンへのトラウマからの脱却は、数十年後の次の住宅危機の材料だったりするのかなーとぼんやり思いました。





・釣り金利

釣り金利は、最初の1〜3年間に非常に低い金利を適用することで、月々の支払額を低く抑え、借り手がローンを受けやすくするものです。この初期期間が終了すると、金利は市場金利に連動して大幅に上昇し、借り手の月々の支払額が倍増することがあります。

・NINJAローン
NINJAローンは、サブプライムローン危機の中で広く問題となったローンの一種です。NINJAは "No Income, No Job, and No Assets"(収入なし、仕事なし、資産なし)の略で、借り手が収入、雇用、または資産を証明することなく借り入れできるローンを指します。