アメリカのエネルギー政策に関する話題に触れる機会がありました。特に、近頃注目を集めているエネルギー長官の人事について議論しました。 エネルギー長官のポジションに、フラッキング技術で名を馳せた企業の創業者が指名されたというニュースは、非常に大きなインパクトを感じさせます。長年にわたり化石燃料開発に携わり、アメリカのシェール革命を支えた人物を起用するということは、政府として明確なメッセージを発しているように思えます。
正直なところ、私は中学生の頃まで「フラッキング」という言葉と、いわゆる「Fワード」との違いもよく分からない程度の認識でしたし、最近になってもフラッキングが具体的にどのような技術なのか、断片的なイメージしか持っていません。
専門家から見れば噴飯ものの解説でしょうが、フラッキングとは、地下深くにあるシェール層など、通常の掘削では容易に資源を取り出せない硬い岩盤から石油や天然ガスを抽出するための技術です。まず垂直方向に井戸を掘り、一定の深度に達したら水平に延ばすことで、広範囲にわたって資源層に接触します。そして、その井戸に大量の水や砂、化学物質を高圧で注入し、岩盤に細かな亀裂を生じさせるのです。大量の水や砂を使って液状の混合物を岩盤に送り込むこと自体がこの技術の「キモ」であり、そのおかげで従来は経済的に採掘困難とされていた資源が大量に引き出せるようになりました。液体は圧力を均一に伝えやすく深地下の硬い岩盤に亀裂を生じさせることができます。もしこれが気体や固体だった場合、同様の安定した圧力伝達や亀裂形成は極めて困難です。また、液体は流動性が高いため、細い空隙や新たに生じた亀裂内部へとスムーズに流れ込み、広がることが可能です。
このフラッキング技術により、アメリカはかつてのエネルギー輸入国から輸出国へと地位を変え、世界のエネルギー地図を塗り替えるまでに至りました。
こうした人物がエネルギー長官に就任すれば、今後のアメリカのエネルギー政策がどのような方向に進むのか、大きな関心を集めるのは当然のことです。これを契機に、私自身、エネルギー政策やフラッキングについてもっと勉強し、自分なりの視点を確立したいと考えています。その一環として、グレゴリー・ザッカーマン著『シェール革命 ──夢想家と呼ばれた企業家たちは いかにして地政学的変化を引き起こしたか』を手に取ってみることにしました。