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他者性

他者性

中島梓の『コミュニケーション不全症候群』を手に取りました。半可通の私が言うのも恐縮ですが、非常に面白いです。マルティン・ブーバーの『我と汝』に代表される他者概念の解像度が上がったように感じます。ここに来て、最近、独白や対話といった他者に関することを考える機会が増えてまいりました。

理想と現実の間にある差異から、他者となってしまった、金閣寺やアフロディテ像について書かれた三島由紀夫の『美神』や『金閣寺』等々最近読む本も他者についての本が多いです。直接的には他者性とは無縁の本でも、この他者とは一体何かという観点から読むようになりました。本に限らず、日常生活の中でも良くその図式を当てはめて考えます。

人や物や事つまるところ世界が、自分自身のストーリーに忠実に従う共犯者を放棄した時、世界は不気味な他者に変貌します。自分自身のストーリーというのは、仏教概念における妄念であり、私自身も、俗世間から離れた象牙の塔の住人のような生活から気づけば妄念の世界に惑わされ、妄念で激しく歪められた世界の中で生きてしまう節があるので、いろいろと思考から引っぺがす必要があるかもしれませんね。




妄念の世界
ストーカーも一種のこの妄念の世界に陥ってしまった例でしょう。損切りできないってのもそうですね。