最近急に寒くなってきました。12月に入ってからというもの、気温の変化に感応して、鼻水が止まりません。気温の変化を実感しながら、この寒さが、果たして経済活動にどのような影響を与えるのか。その点を巡って、ひとつの思索してみました。寒い季節には、人は外に出たがらなくなる。そのため、クリスマスやお正月等々のイベントさえ無ければ、例えばテーマパークのような場所は、冷えた空気と共に客足が遠のくのではないか。私以外もこう想像するのではないかなと思います。けれども、あるエピソードを思い出すにつけ、その考えが一面的であることに気づかされます。それは、ユーロディズニーと天候デリバティブにまつわる話です。
天候デリバティブとは気温や雨量等々天候にもとずいて損益が発生する金融商品の一種で、雨量を基準とする天候デリバティブは、通常、一定の降水量を基準値として設定し、実際の降水量がその値を下回るか上回るかによって、経済的な補償が発生する仕組みです。基本的にテーマパークは雨が降ると客足が遠のくので、雨が降るリスクに対してヘッジするのですが、特定の日時においては、逆に「雨が降らない」事がリスクとなります。例えば、土曜・日曜の昼間、雨が降らないと客たちは屋外で長く過ごし続け、園内のレストランや土産物屋の売上が伸び悩むみたいな事が起こるのです。雨が「恵み」となるこの逆説的な状況に直面して、ユーロディズニーは雨が降らないリスクをヘッジするために天候デリバティブを活用していたと聞きます。
この話を踏まえると、私は寒さについても同様の視点が持てるのではないかと考えます。寒さは、直感的には人を屋内に引きこもらせる要因となり得ますが、テーマパークにおける一日の動線を思い描くと、寒さが売上に寄与する場面が浮かび上がります。昼間は暖かな陽光のもとで外遊びを楽しみ、夜になって寒さが訪れると、少しだけイルミネーションを見た後、室内へと流れ込む、そこで買い物をしたり、温かい食事をとったりする。
かくして、テーマパークにとって最も理想的な天候とは、朝は心地よい暖かさに包まれ、昼から夜へと次第に冷え込んでいく日なのではないかと私は推測します。逆に、夜になっても寒さが訪れない場合、室内での消費行動が減少し、売上に響く可能性があります。
とりわけクリスマスシーズンは、財布のひもも緩むし、イルミネーションはきれいだし、夜になるとちゃんと寒くなってくれるしで、まさにテーマパークにとって理想的な条件が揃っています。まさに、今こそが彼らにとって最大の稼ぎ時なのでしょうね。