政治の舞台において、劇的な変化の風が世界中で吹き荒れています。たとえば、アメリカ合衆国ではドナルド・トランプ氏の再選が注目を集め、ルーマニアでは親ロシア派の極右候補、カリン・ジョルジェスク氏が大統領選挙の第1回投票において首位を占めるという波乱の展開が見られました。さらにはフランスにおいて、2024年12月4日、国民議会において内閣不信任案が可決され、バルニエ首相が辞任するという劇的な政変が生じています。
一方で、投票を行わない理由として『どうせ投票したって自分が選挙に与える影響は微々たるものだから何も変わらない』という心情が挙げられることが少なくありません。
確かに、膨大な有権者数の中でたった一票の影響力を思えば、そこに行動を起こす意義を見出せないと感じるのも無理はありません。しかしながら、ここに「期待値」という新たな視座を導入することで、投票という行為の背後に隠された豊饒なる可能性が見えてまいります。
たとえば、アメリカにおける大統領選挙を考えてみましょう。2008年の選挙において、統計学者ネイト・シルバーらが行った計算によると、一票が選挙結果に影響を与える確率は約6000万分の1、つまり約0.00000167%とされています。確かに非常に低い確率ですが、ここで注目すべきはその見返りです。仮に、より良い政党が政権を握ることで国全体にもたらされる経済的便益が、市民一人あたり1000ドルに相当するとします。この場合、アメリカの総人口3億1400万人を掛け合わせ、一票の期待値を計算すると以下のようになります。
期待値=1/6000万 * 3140億ドル =5200ドル
つまり、一票の価値は5200ドル以上に相当する可能性があるのです。この計算は仮定に基づくものではありますが、投票行為の重要性を合理的に捉えるための視座を提供してくれます。単に一票が選挙結果を変える確率の低さを強調するのではなく、その一票が実現する可能性のある社会的な価値に注目すべきなのです。投票行為に要する時間を1時間と仮定しても、この期待値が生む価値は多くの米国民の時給を大きく上回るでしょう。ここにおいて、単なる義務感や道徳的観点ではなく、合理的な選択として、投票がいかに価値ある行為であるかが浮かび上がります。
選挙に行くという行為。それは、単に「国民の義務」として定義されるだけのものではありません。その一票が生む可能性、その未来を切り開く力を見据えたとき、私たちは選挙を新たな次元で捉えることができます。ぜひとも、この視点を携えて、あなたもまた選挙という時空の交錯する場に足を運び、新しい未来の扉を開いてみてはいかがでしょうか。
投票は、単なる義務感や道徳的観点ではなく、合理的な選択として価値ある行為です。その一票が生む可能性、その未来を切り開く力を見据え、有権者として政治に参加していくべき理由がここにあります。