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恒大集団の破産と不良債権のチャンス

恒大集団の破産と不良債権のチャンス

恒大集団の破産を受けて、不良債権問題やそれが引き起こす中国の不動産バブル崩壊が世界経済に与える影響について、最近多くの議論があります。この問題については、議論され尽くしている感があるので、今回は別の視点から考えてみたいと思います。破産による不良債権問題は一見、マイナスの側面しかないように思えますが、実はこれらの不良債権は多様なビジネス機会を生み出す可能性も秘めています。

たとえば、これらの債権をプールして発行される証券を投資家に売り出す手法や、債権を安価に買い取り、債務者に対して法的措置を通じて利益を上げる投資家もいます。このような投資家は、例えば、ほぼ破産確実のアルゼンチン債を購入し、破産後法的措置を経てアルゼンチンの資産を差し押さえて利益を得る戦略などを取っています。これらは不良債権ビジネスの基本的な形です。

また少しニッチな話しですが、転換社債にも注目しています。中国のように株価が大きく目減りする局面では、転換価格に到達することが難しくなり、転換社債の価値も大きく下落します。しかし、しっかりと分析を行えば、これらの転換社債が株式等の資産への転換オプションを行使できなくても、社債の利回りだけで魅力的な投資になる可能性が見えてくることもあります。実際、日本のバブル崩壊時には、ソロモンブラザーズの東京支店のトレーダーたちが、転換社債を詳細に分析し、オプション性を無視して債券としての価値に注目して、大規模な投資を行い莫大な利益を上げた事例があります。これまた、更にニッチな話ですが、そのおかげで当時の東京支店長だったデリック・モーン氏が、ソロモンブラザーズのCEOに就任するきっかけとなったとも言われています。

このように、不良債権問題は必ずしも全てがネガティブなわけではなく、適切な分析と洞察力をもってアプローチすれば、ビジネスチャンスへと変えることが可能です。これは投資の世界に限らず、あらゆる場面での重要な教訓になると思います。私達も何事もしっかりと調べ、チャンスに変えていきます!!。