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音楽著作権の分配請求権の証券化

音楽著作権の分配請求権の証券化

今日は久しぶりに大学の先輩のSKさんと雑談をしました。SKさんは最近、複数人で車を出資し合って車の権利を共同保有し、貸出の収入を得ながら自分たちも思うがままに使うというプロジェクトに取り組んでいるらしいです。いわば、趣味と投資をかねそなえて、車の権利を証券のように持てるようにするプロジェクトです。

そんなSKさんとの会話の中で、自然と私が以前研究していた「音楽著作権の分配請求権の証券化」の話題に移りました。

SKさんの取り組むプロジェクトは、車の権利を共同で保有するものです。これを聞いて、音楽著作権の分配請求権の証券化を思い出したのです。

実を言うと、私がなぜそんなプロジェクトに取り組もうと思ったのか、そんなに理由はありません。ただ、近年あらゆる権利がNFT化や証券化されるようになる中で、音楽著作権の証券化は一般的ではなかった。そこで、単なる好奇心から研究を始めたと記憶しています。

音楽著作権の管理は、一般的にJASRACが著作者等と信託契約を結び、使用料徴収から分配まで一連のプロセスを標準化しています。音楽著作権の質入れはできないのですが、分配請求権自体は、JASRACの承諾を得れば譲渡や質入れが可能です。だからこそ、分配請求権に着目し、それを証券化することで流動性を高め、新たな投資機会を生み出せないかと考えたわけです。証券化とは、もともと流動性の低い資産を、流動性の高い証券に変換するプロセスのことです。そして、音楽著作権の分配請求権を原資産として証券化すれば、一方で投資家には魅力的な商品になり、他方で権利者には資金調達の手段ともなると考えました。

SKさんの話を聞いてまた証券化系の熱が戻ってきました。SKさんの取り組むプロジェクトと私の研究は、ともに権利の共同保有と証券化をキーワードとしています。機会があれば、また話を詰めていきたいと思います。





車の権利を共同保有
最近流行りのシェアリングエコノミーですよ。シェアリングエコノミーの文脈でいつの日か日本でも多夫多妻制になるのかな。

貸出の収入を得ながら自分たちも思うがままに使うというプロジェクト
不動産投資に近いですね。似たようなプロジェクトだとNOT A HOTEL というのがあるらしいです。

私が以前研究していた「音楽著作権の分配請求権の証券化」
高校三年生の時ですね。ほとんどだれにも伝わらなかった嫌な思い出があります。

そんなに理由はありません
私、内省と言うものがあまり無い人間でして、『なんか面白そうだしやってみるか』と小学校四年生の様な皮膚感覚で生きています。

分配請求権
その名の通り、音楽作品から発生する収益の分配を受ける権利のことを指します。

証券化とは、もともと流動性の低い資産を、流動性の高い証券に変換するプロセスのことです
ソロモンブラザーズのルイス・ラニエリ氏が、不動産の証券化に取り組んでから世界が一変しました。誰もが家を買える様になったし、リーマンショックも起きた。もちろん、発明はどう使うのかが大事なので。